年度版として1年程度書店に並ぶガイドブックにも、売り時というものがある。ヨーロッパの場合は旅行シーズンがおもに夏ということもあって、春から夏にかけて出版されることが多い。ガイドブックのための取材は通常半年〜3か月前ぐらいに行う。あまり前では情報が古くなってしまうし、ギリギリに取材から帰ってきて慌ててつくるとロクなコトにならないからだ。となると、春に出版する本の仕込みは冬・・・。何人かで手分けして、夏に行く機会も作るのだが今回ルーマニアの取材はそういうわけで厳寒の12月、マイナス10度の雪のなかとなった。
ルーマニアは、ヨーロッパのなかでは、まだまだ田舎だ。馬車やロバが荷を運ぶ光景もちょっと郊外にけば見られるし、人々が素朴で話好きなところも田舎くさい。観光地として魅力的な素材はたくさんあるのに、インフラの整備が追いつかない。それでもヨーロッパの人々からは徐々に注目され始めている。日本の旅行マーケットのこれからに期待したいところだ。

バイアマーレの中心地で会った陽気なおじさん。
寒いのににこやか。
サプンツァにあるカラフルな「墓標」の博物館。
世界遺産に登録されている「五つの修道院」のスチェヴィツァ修道院も雪のなか。